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無名サイトのつづき

レンズについて[第3回] : MINOLTA AF 28mm F2

 前回は「標準レンズ」についてのお話だったが、今回はまた違った観点からの「標準となるレンズ」のお話。

そもそも50mmが標準レンズと呼ばれていた理由の一つに「昔の一眼レフには50mmレンズが標準的に添付されて売られていたから」というものがある。つまり、一番最初に触るレンズが標準レンズということである。

この理論からいくと、現代の標準レンズは多くの入門機に付いてくるズームのワイド端である、28mmなのではないだろうか。というわけで、今回取り上げるのは28mmレンズであるMINOLTA AF 28mm F2である。

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α900 + AF 28mm F2

さて、現代の標準レンズは28mmではないか? という論であるが、自分が一眼レフを使い始めて最初に触ったレンズも、SONY DT18-70mm F3.5-5.6なので換算で28mmだった。現在、F2.8通しのフルサイズ用高級ズームレンズはほとんど24mmスタートになっているが、いわゆる入門機と言われているカメラに付くレンズについては依然換算で28mm相当のものがほとんどである。つまり、初めて一眼レフを買う人のほとんどが28mmからスタートすると言えるし、これを標準画角と呼んでも差し支えないだろう。

ちなみに自分が最初に触った18-70mmであるがこれは画質的にもあまり満足出来るものではなく、またせっかくの一眼レフなのだからもっと広角のレンズが使いたいとずっと思っていたせいか、後にSONY DT 16-105mm F3.5-5.6を買ったら全く使わなくなってしまい最終的には友人にあげてしまった。

余談だが、16-105mmはα900に乗り換えてしまったということもあり手放してしまったが大変に素晴らしいズームレンズであった。旅行ではこれ一本あればあらゆる被写体に対処できるし、その割に軽量コンパクトで安っぽいところもなかった。もはや手元にないのでレビューを書く事はないと思うが、お気に入りの一本だったのは間違いのないところである。

閑話休題。

それ以降、自分が最もよく使う画角は16-105mmのワイド端である24mm相当になっていた。また、当時はまだα100を使っていたので28mmの単焦点を買うと換算42mmという画角になってしまうが、これがどうにも中途半端で28mmというレンズを買う事は当面ないだろうと思っていた。ある意味では眼中になかったのだ。

しかし、ある日新宿の中古カメラ屋でこのMINOLTA AF 28mm F2を発見してしまった。値段はレンズ縁にコバ落ちが出ているからか相場よりは安かった。当時のこのレンズの相場は5万円くらいというところであり不当に高いが、それよりは納得出来る額だったので購入した。例によってスペックはケンコートキナーのサイトを参照の事。

さて、ミノルタには同画角で開放F値が2.8のモデルもあり、こちらはソニーにも引き継がれている(いた)。一方、こちらのモデルはこの無印タイプの他に、Newタイプが存在しており、フードのバヨネット形状の変更と円形絞り化が行われている。

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ちなみに上の写真にはコバ落ちが見られないが、これはその後同じレンズがヤフオクで格安で落札出来たのでそちらに差し替えてある。このレンズはどうも特定の条件でコバ落ちが出るようで、オークションにもちらほらそうした出品が見受けられる。保管条件にもよるのか詳細は不明。

なお手元のこのレンズは、輸出カメラ製品に貼られていたJCIIのシールが貼られているので、どうやら帰国子女のようだ。このシールが貼られているような初期の製品の場合、50/1.4などではMAXXUM(ミノルタαの北米でのブランド名)の銘板が付いているものがあるが、このレンズについては普通にMINOLTA銘になっている。また、ある程度新しいレンズではMAXXUM銘板の製品を見かけない事から、ある時期で廃止されたものと思われる。

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ちなみに、35mm F2と28mm F2のフードはシルク印刷こそ異なるものの、取り付けバヨネット、形状共に共通である。また、24mm F2.8のフードも形状が異なり若干浅いが相互に共用可能である。しかしNewタイプではバヨネットの根元に突起があるので共用出来なくなっている。もはやこのレンズのフードを単品で探すのは不可能に近いので、もしフードがなくて困っている人は比較的入手しやすい24mmの物を使うのも手である。

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このモデルでは円形絞りは導入されていない。しかし円形絞りのNewタイプは書くのもバカらしくなるほど相場が高騰していたので、旧モデルの購入と相成ったのは前述した通りだ。スペックが同等の製品としては先述のミノルタの兄弟レンズの他はシグマ28mm F1.8辺りしかないと思われる。シグマの旧タイプならサイズは同等だが、現行品はフィルタ径77mという巨大なレンズなので正直言ってこのレンズとは目指すところが違っていると言って良いだろう。

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このF2のモデルは総じてタマ数が少ない。28mmという画角は既にズームレンズに組み込まれている画角であり、改めて単焦点レンズを買うという人が少なかったからかもしれない。 

しかし、このレンズに関しては敢えて買うだけの理由があると断言するし、現に自分の常用レンズの一つになっている。

それは、α900を購入して以降ズームレンズが28mmスタートのものを使い始めたり、GR Digitalを購入して自分の中で「28mm回帰」とも呼べる心境の変化があったのも理由だが、一番はとにかくこのレンズの使いやすさにある。

開放値F2で、一般的なズームよりも1-2段は明るいレンズでありながら、フィルター径は55mm、サイズは50/1.4とほとんど変わらないという軽快感と、最短0.3mでそれなりに寄れること、そして開放から必要十分にシャープでどんなシーンでも安定して使えるというのがこのレンズのよいところだ。α900で一本だけ持ってスナップに出る時はたいていこのレンズが選択肢に上るし、28-70Gが諸事情で手元を離れているので旅行時の広角レンズをこれで補っているということもある。

いつものように作例はFlickrにアップしてあるのでそちらも参照の事。

このレンズの弱点は、しいて言えば逆光にはあまり強くなくフレアが出やすい。また、フルサイズ機で使用すると開放付近では軽くコマ収差が気になるかもしれない。ただ、それらを差し引いても常用するにはピッタリのレンズと言えるだろう。あとはGR Digitalの28mm相当F1.9というスペックと被ってしまうのでどちらを持って行くか迷う事もある。こればっかりは当日のテンション次第といったところである。とはいえ持って行った時に後悔するような事はほとんどない。

一時期28mm F2.8も持っていたことがあるが、そちらはどちらかというと柔らかな写りをするタイプだったので、適度なシャープさをもっているこちらのレンズの方が好みだった。

このように、自分個人としてはこのレンズ大好きなのだが、いかんせん相場が高すぎるので諸手を挙げてオススメ出来ないのが難点である。正直5万も出して買うようなレンズではない。しかし、常用レンズとしては性能とサイズのバランスが最も高度にバランスしている一本ではないかと思ってる。