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インターネット

無名サイトのつづき

フィルムカメラはじめました4

さて、F2を買ってから約一ヶ月が過ぎた。

前回は試し撮り完了までの顛末を綴ったが、その後はというとまったく使っていなかった。いろいろ理由はあるのだが、第一の理由としてはデジカメだけでも手に余るほど所有しているので、それらを順番に使っていくだけでも大変だということ。そして第二の理由は、所有しているレンズが一種類だけしかなく、しかもそれが重くて使いづらいという事である。

Ai135/2sは、確かに前回使った通り写りも良くて、大変すばらしいレンズである。だがしかし、これ一本だけ持って36枚撮りきるというのは思ったよりも難しかったし、何よりとんでもなく重たい。F2と合わせて1.5kgのセットというのは「フラッとそこまでスナップに」なんて気分にはなれない。気合いを入れて「撮りに行くぞ!」という気分の高まりがないと持ち出せないのだ。

そして、気合いが十分な時にはたいていあれもこれも撮りたいという欲が出てしまい、同じ一眼レフでももっとレンズの揃っているデジタル機の方に手が伸びてしまう。結果としてF2が持ち出される頻度は大変少なく、家の中で空シャッターを切って遊ぶのが精々であった。

余談だがこういう時機械式シャッターの一眼レフはありがたい。リチウム電池仕様の近代的なフィルムカメラだと空シャッター切ってるうちに電池切れでもさせようものなら、大変手痛い出費になるからである。とはいえ電池について言えば充電式のデジタルの方もほとんど金はかからないのでフィルムが偉いという話でもない。余談終わり。

で、ここまで延々F2を使わない理由について述べてきたわけだが、せっかく手に入ったF2であるので、全く使わないというのももったいない。

そこで導き出された結論が「じゃあもう少し軽くて画角の広いレンズを買おう」であった。いやそのりくつはおかしい。

……ターゲットは50mm以下の標準~広角域のレンズで、出せる値段は1万円以下。かつ、可能であればAi以降対応のレンズである。これは所有しているF2がフォトミックAS仕様であり、Ai対応になっているが故にオートニッコールなどは逆に使いづらいから、という判断である。逆にプログラム対応は全く関係ないのでAi-sである必要はない。

この辺りの複雑怪奇な互換性と機能制限の数々は元々他社ユーザーである為よく知らないし、それどころかニコンユーザーに聞いてもよくわからなかったりするので、さすが不変の (笑) ニコンFマウントと毒突きたくなるところではある。

そして以上の条件に、さらに付け加えるとしたら既に所有しているAマウントやKマウントのレンズにはないスペックのレンズが望ましい。

かような条件で色々調べていたところ、Ai以降はデジカメにそのまま付くこともあって人気が高く格安の出物はほとんど見つからなかった。さすがにMFニコンはタマ数が多いせいか相場が安定しており、ものすごく高くもないが、ものすごく安い物もまた無いといった状況である。

そんな中出張に行って、仕事が済んだ後に立ち寄ったある町のカメラ店で、カビありのAi50/1.2を見つけた。値段は9800円。ジャンクと考えると結構強気な値付けである。ショーケースから出して見せてもらうと、ヘリコイドは若干抜け気味ではあるが完全にスカスカというわけではない(これはこの後もっと重大な問題と判明する。後述)そしてカビは、後玉の裏に小さい物を確認出来たが、このレンズであれば貼り合わせ面もないので清掃出来そうな感じではあった。

このレンズはどんなに安くても現在の相場で2-3万円程度はしているので、ジャンクと考えるとちと高いが逆に言えば1万程度かけて修理しても相場以内には収まるということでもある。外観は思ったよりも綺麗なので、結局小一時間悩んだ末、購入してしまった。

しかし、今回はジャンクを破格で手に入れたというわけでもないので、正直なところこの判断は失敗だったのではないかという気持ちもあった。そしてこの危惧は残念ながら的中する。

帰ってきてレンズを細かく見てみると、当初考えていたカビの他に、もう一カ所別のカビを発見。冷静な判断が出来ていなかったと凹む。リサイクルショップで購入する場合は比較的念入りに確認するものの、今回はちゃんとしたカメラ店での購入だったという事もあり、店主が言う一番目立つカビにばかり気を取られてしまいその他がおろそかになってしまっていた。ここのところ購入したカメラやレンズには問題がなかったので、気が緩んでいたのは間違いない。

そしてカメラに付けてみると、もっと重大な問題が判明。カメラの向きによってヘリコイドの重さが違うのである。具体的に言うと水平にカメラを構えた時は抜け気味で指一本でも調整出来る重さなのだが、縦位置に構えるとグッと重くなり、指一本ではピントリングが回らなくなる。しかも向きによって挙動が異なり、この抵抗が生まれるのは無限→近接方向の時だけのようだ。ひょっとしたら内部で部品が干渉しているか、あるいはヘリコイドが歪んでいる可能性すらある。これはカビどころではない、完全なジャンク品をつかんでしまったようだ。

しかし、このレンズを買ったカメラ店は元々出張で行った先ということもあり、返品は効きそうにない。正直現地に行くだけでも購入価格分は飛んでしまうくらいの遠方である。そんな所で買うなよと言ってしまえばそれまでなのだが実際そういう話なのでぐうの音も出ない。

仕方が無いので、諸々の問題点は見なかったことにして試し撮りに行ってきた。当初はあじさいを見に行くつもりだったのだが、行った先が山奥で駐車場がないところであり、ようやく見つけた駐車場からあじさいが咲いている場所までは、ハイキングコースな上に6kmも先だった。

当初はそんなことも知らずに駐車場からテクテク歩いて行ったのだが、3kmほど歩いて「そろそろ……」と思った時にまだ倍以上距離を残している事を知り、流石に心が折れた。お茶を買い忘れてたこともあり、そのまま踵を返して下山と相成った。

そして、消化不良だったのでそのまま赤川鉄橋まで行って、計2本フィルム消費して試し撮りおしまい。とはいえ、まだ現像に出していないので画像はない。現像から上がってきたらまたそのうち。