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インターネット

無名サイトのつづき

シリーズ東京の島とかを往く:中央防波堤訪問記

最近は気が付けば、色々な東京湾の島々を歩き回っている。一部はこのサイトでも記事化したが、それ以外にも記事になっていないだけでうろつき回ったり写真を撮ったりしている。

そんな東京湾内の島々の中には、到達難易度が比較的高いものも含まれる。先日このサイトでお伝えした城南島も、日曜日は一時間に一本のバスに乗らなければ到達出来なかったりするのだが、距離のことを無視すれば、一応はバスがなくても徒歩で行くことが出来る。

一方で、京浜島訪問時にチラっと触れた中央防波堤は、現在接続道路の規制によって、自動車や原付以上の二輪車でしか訪問することが出来ない。ただ、バスは運行しており本数も(行き先に娯楽施設は何もないことを考えれば)思ったよりも多い。ちなみに、埋め立て地として成立したためまだどの区に属するか決まっていなかったりもする。

というわけで、今回は東京湾島嶼部シリーズ最新作として、中央防波堤に行ってきた編をお届けする。

……と、見せかけておいて話は中央防波堤と全く関係ないところから始まる。

現在、富士フイルムの東京サービスセンターでは富士の最新機種であるところのXシリーズを当日返却ならば無償で貸し出してくれるサービスをしている。私事になるが、ここのところもうAマウントの新機種も望めそうにないので最近は乗り換え先も含めて色々考えており、この際だし別に必ずしもα7買わんでもいいよなと思っているため、このサービスを利用して最新ミラーレスカメラとやらを試してみることにした。というわけで、以下の写真はX-T1によって撮影されている。

実を言うとこのサービスを使ってX-T1を借りるのは二度目なのだが、前回は16-55を借りて写りはともかく重さに辟易したため、今回は14mmと23mmのコンビにした。一度にカメラボディ1台・レンズ2本まで借りられるため、システムとしての実力を試せる大変ありがたいサービスである。要するに購入候補カメラが自分の用途に耐えうるかどうかというのもこの小さな旅の目的に含まれているわけだ。

というわけで、六本木で物好きの知人(こちらも同様にX-T1を借りている)と合流し、寄り道しつつも中央防波堤を目指した。

現在、中央防波堤へ自前の車・バイク以外で行く手段は都営バスを使うほかにない。利用するのは「波01系統」になるのだが、この系統、普通に調べると品川発がヒットする。だが、品川から行けるのは東京テレポート駅前までで、そこから先は同名だが別のバスだし料金も個別に発生する。当初我々はこのことを知らず品川からバスで一本だと思い込んでいたのだが、実際は東京テレポート駅前で途方に暮れることとなった。まぁ、品川~東京テレポート間はもはや都営ではこの路線以外にないというレインボーブリッジをバスで渡るルートだったので、乗りごたえ(?)自体はあったのだが。

改めて東京テレポートから二本目のバスに乗り、終点が中央防波堤である。

中央防波堤には「内側埋め立て地」「外側埋め立て地」「新海面処分場」の三区域があり、このうちバス停があるのは内側埋め立て地区域である。バスを降りると、いきなり剥き出しの配管類を備えるイカした景色が出迎えてくれる。ここは元々埋め立て地であり、ゴミの処分場に類する建物が多く、この光景もその一つだ。

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Fujifilm X-T1 + XF 23mm F1.4R

なお、写真がオーバー気味なのは単純にX-T1の使い方に慣れてなくて設定をミスっただけのことなので気にしないように。この写真しか状況説明に使えそうなのがなかったのだ。

さて、これまでの話で中央防波堤は「一般人の訪問を拒むような交通の便」「帰属が決まっていない埋め立て地」「娯楽施設は何もない」そして何より「既に島として完成しているにもかかわらず防波堤という無機質な名前」から、かつてのお台場やみなとみらい地区のような、区割りと幅の広い道路だけが完成しただだっ広い無人の空き地地帯を想像する人も多いのではないかと思う。

実際、訪問する前の我々もどこかそんな感じを期待して来たのだが、実際に訪問してみるとその予想はまったくハズレであった。元々がゴミ処分場であり、その機能は今も現役であることからか内側埋め立て地に関しては写真の通りゴミ処分場関係の巨大な施設が各種作られており、もちろん人がいない空き地というわけではない。周辺の道路は土曜日にも関わらず活発にトラックが行き来し、徒歩での人の行き来こそほとんどないものの、想像していたような無人地帯とはかけ離れていた。

そして、防波堤のほとんどは未だに現役の埋め立て地ということもあり、内側埋め立て地の半分ほどは一般人立ち入り禁止のスペースである。埋め立て地方面には土曜日だというのにトラックが活発に出入りし、奥には重機が忙しなく動いているのも見える。

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Fujifilm X-T1 + XF 14mm F2.8 

海が見えたのでそちらに向かってみると、対岸はお台場である。先ほど通り過ぎてきたそこは、方や週末で賑わう喧噪の島。一方のこちらは、先ほどからトラックと重機の轟音しか聞こえてこない別の意味で喧噪の島である。あとたまに飛行機の轟音も聞こえる。ここは羽田への通り道でもあるのだ。

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Fujifilm X-T1 + XF 14mm F2.8 
それにしてもX-T1のフィルムシミュレーションをベルビアにしていただけあって、見事な記憶色寄りの鮮やかな青である。もちろん天気も良かったのだが。

ぐるりと回って、今度は外側埋め立て地の方を目指す。内側埋め立て地は結局のところゴミ処分施設と、トラック(コンテナ)ヤードの島であった。前者は埋め立て地の、後者は埠頭に近いという理由からであろう。その他には娯楽施設はもちろん、コンビニもない。一般に公開された公園もいまのところないので水分補給やトイレ等にはこの時期少し困るかもしれない。幸い、一部のトラックヤードには自販機が据え付けてあったのを確認出来たので少なくとも干涸らびる心配はなさそうだ。

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Fujifilm X-T1 + XF 23mm F1.4R
見ての通り、コンテナ地帯を轟音とともに飛行機が掠めて行く。考えて見れば城南島の東側にあるのだからそれなりの大きさで飛行機が見えるのは当たり前なのだが、この日我々の他に飛行機を撮影する人は見かけなかった。なお、飛行機を狙うのであれば城南島から狙った方がアクセス・周囲の環境ともに良いというのは今更言うまでも無い。

しいて言うなら、自動車用信号機と飛行機を絡めて撮れるあんまり他に思いつかないスポットだというくらいだろうか。このシチュエーションに果たして価値があるのかとかそういう細かいことは気にしてはならない。

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Fujifilm X-T1 + XF 23mm F1.4R

なお、地図上では内側埋め立て地と外側埋め立て地を繋ぐ橋は二本あるが、東側の橋はゴミ処理のトラック専用のようで徒歩では渡れない。徒歩の場合は西側の中防大橋を渡る他にない。

しかし、外側埋め立て地に渡ったところで、訪問時点で徒歩の行動可能範囲はほとんどなかった。メインストリートとでも言うべきゲートブリッジ方面への道路はゲートブリッジが徒歩通行禁止な為通行禁止。城南島へと繋がる海底トンネル方面も同様に徒歩で通行出来ないため通行禁止。そして、新海面処分場は今まさに埋め立てつつあるため、ここももちろん一般人は立ち入り禁止、である。

島のサイズ自体はかなり大きいのであるが、現時点で徒歩で巡ろうとすると、実際に立ち入れる面積は思いの外少なく、また何か目標となるような施設があるわけでもない。そして逆説的だが、「何もない場所」である新海面処分場には立ち入れないので、そういうものを求めて来ても消化不良になる可能性すらあるのだ。今回は物好き二人組であったので特に問題は無かったが、ただ歩くのが好きな人でもないと目標物のなさにめげてしまうかもしれない。

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Fujifilm X-T1 + XF 14mm F2.8 
防大橋の突き当たりからメインストリートを望む。富士は各露出モードでパノラマが選べるのがいいところだと思う。初めてこの手の連写合成が付いたSONY DSC-WX1を昔使ってたこともあり、この手のパノラマモードけっこう好きなのである。

結局、この辺りを軽く撮影したのち、再び内側埋め立て地へ戻りバスで帰ることにした。

先ほど横目に見ていたお台場に戻ると、再び観光地らしい喧噪に包まれた。すれ違う人もおらず、トラックと重機と飛行機の轟音だけが聞こえたあの埋め立て地も、いつかこんな喧噪で溢れるような観光施設が林立する日が来るのだろうか、来るとしたらいったい何年後になるのだろうと思ったりする。

その後、二人してmegawebに立ち寄りTS-010(丁度ルマン終了直後だったのだ)を見てひとしきりテンションを上げたりクラシックカーの展示を見たり撮ったりしたところでX-T1の電池は空になった。約400枚。正直物足りない電池持ちだが、まぁ今のミラーレス機というのはこんなものだろう。

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RICOH GR

仕方ないのでGRで撮ってお茶を濁す。なんだかんだでGRはバックアップのカメラとして最高であるというのが結論だろうか。もちろんメインにして使ったって大変いいカメラである。

というわけで、六本木に戻ってカメラを返却後、更に別の無料イベントでドリンクや軽食を補給して解散となった。一日中歩き回ったにも関わらず、ショールームや無料イベントをハシゴしていたせいで交通費以外ほとんど使っていないという、よくわからない休日になった。

とはいえこんなのもたまには良いだろう。ミラーレス機を買うかどうかは当面保留。