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インターネット

無名サイトのつづき

レンタカーで車を借りに行く男達 -実録変なレンタカーを借りに行く3-

特に誰かから望まれているわけでもないのに地味に連載化されている変なレンタカーシリーズもとうとう第三弾である。実際はここに書いてないだけで変なレンタカー借りてきたのは三度どころではないのだが、最新版となる今回は特に意味の分からない行程だったのでせっかくなのでここに書き残しておく。

話の始まりは数日前、知人から「富士スピードウェイでは本コースを体験走行出来るらしい」という話を教えてもらったことから始まる。

これまで知らなかったのだが、改めて調べてみるとレース等が行われている合間の時間帯で車両持ち込みでの走行が可能になっており、またトヨタ G'z車両を貸し出しての走行も出来るようになっていた。そしてどちらも2,100円である。あの国際格式のサーキットを先導付きの体験走行とはいえ、3周走れて2,100円なのだ。観客として見に行ったことはあるし、ゲームで走ったこともあるが、あの景色が体験出来て2,100円は格安なのではないかと気分はにわかに盛り上がった。

しかし、これらの体験走行は何らかのレースが開催されていれば当然そちらが優先されるので多くは平日に開催されており、また予約は不要ながら開始時間は12:00からと予め指定されている。ひょっとしてこれは参加の難易度が高いのでは……と思ったが、運良くその週の土曜日は開催日となっていたので勢いのままに行ってみることにした。

さて、ここで問題になるのが現地までの足である。当然家に車があるんだからそれでいいと思っていたのだがせっかくだから他の車に乗りたいといういつもの理由により、車を借りていくことにした。出来ればS660が良かったのだが、直前予約ということもあり予約が取れなかったのでコペンにしたコペンは以前も借りたことがあるのだが、神奈川県内には複数配備されているようで近所の店舗でも借りられるようになっていたことと、何よりS660よりも安いのがいいところである。

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ちなみに前回借りた時はローブだったが現在配備されているのはエクスプレイの方のようだ。写真は前回借りた時のもの。(2014年11月)

と、いうわけで当日朝、言い出しっぺの知人と合流しレンタカー屋でコペンを引き取る。借りたのは白/黒ツートンカラーのエクスプレイで、前回のシルバーのローブに比べると、言っちゃ何だがパトカーかパンダのような配色である。流石に男二人で乗ると先日のロードスターよりも狭いが、携帯や飲み物を置くスペースはあるのでドライブには苦にならない。最近自分の中で車の利便性に対する評価基準が著しく低下している気がするが、たぶんこういう車ばっかり乗ってるからだと思う。

早速オープンにして走り出す。幸いにして天気はこれ以上ない快晴で、逆に少し暑いくらいである。日焼け止めと帽子を持ってこなかったことを若干後悔しつつも富士スピードウェイを目指す。途中高速が事故で渋滞になっているとの情報を掴んだので、東名ではなくR246を使うことにしてヤビツ峠に立ち寄った。

休日のヤビツ峠は(特に秦野側の表ヤビツは)チャリ勢が非常に多く、またバスも通っていることから気を使うのだが、流す程度のスピードで駆け抜けるには大変気持ちの良い道である。展望台まで駆け上がって折り返したが、やはり自分の手の中に入るサイズとスピードという面では「軽でいい」し「軽がいい」のかなという感想を抱いた。FFということもあってか飛ばしすぎなければあまり変な挙動も起きないので、グイグイ曲がっていくことが出来る。前回借りたロードスターのようなアクセルオンで意図的にリアを巻き込んで遊びたくなるクイックな感じともまた違う乗り味である。

麓に戻っても高速は未だにダメそうということもあって、再びR246をそのまま進む。排気音は思ったよりも野太くてキャラクターには合ってるのか疑問もあるが、バイパスの巡航を無難にこなす。そうこうしてる間に少しの余裕を残して富士スピードウェイに到着。ここに来るのは昨年のWEC以来だが、今日は特にレースが行われていない日なので静かなものである。入場料1000円を払って場内へ。

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今日のレンタカーPart1。レースウィークではないのでこのような記念撮影も出来る。(ゲートは端にあるものしか開いていないので) それにしても天気がいい日だった。

さて、最初に述べた通り車持ち込みでコースを走ることが出来るのだが、残念ながらオープンカーは安全上の問題があるためロールバー装備でないとたとえ体験走行であっても走行は認められていない。つまり、ここまでレンタカーで来ておいて何だが更に車を借りる必要があるのだ。

なら最初っから家の車でそのまま来いよという話なのだが、持ち込み走行とG'z車両のレンタルでの走行はどちらも2,100円で、ならば借りた方がオトクという論法も成立するわけである。コペンの代金については取り急ぎ無視するものとする。

おそらくこの価格設定にはトヨタとしても価格差分を負担してでもモータースポーツに触れてもらいたいし、自社製品に触れてもらいたいという思いも込められているのだと思われる。もちろん消費者側から見れば結果安価に楽しめるのだし、普段試せない車に乗れるのだから良いことずくめである。

借りられる車両はいくつかあるのだが、今回は延々悩んだ末でマークX G'zを選んだ。MT車ヴィッツ G'zだけで他は全部ATなので、こういう時こそMT車という選択もあったのだが、こういうスローペースの体験走行では下手すれば3速入れっぱなしになってしまいMT選ぶ意味がなくなってしまうのではと思ってやめてしまった。実際は後述するようにどうもそうでもなかったようなのだが……。ちなみに知人はアクア G'zをセレクトした。

f:id:seek_3511:20160618114931j:plain今日のレンタカーPart2。400万以上する高級車だけあって流石に端々の作りがいい。ノーマルを知らないのでチューニングによる差異はわからないが、こうした場所で走るにも十分な車なんだなーと思った次第。

……開始時間が近付くと続々体験走行の車が集まってきた。だいたい一般車が20台くらい、レンタル車両4-5台+数台の二輪でトータル30台弱くらいでの走行になるようだ。先頭には当然先導車が付くのでスピード出し放題というわけではないが、これから走るのはまぎれもない国際格式のサーキット、富士スピードウェイの本コースである。

一般車、レンタル車両、二輪の順にコースインしてあとは前の車に着いていくことになる。ピットロードから加速して本コースに出た瞬間は「ゲームで見た景色だ!」と感動してしまった。ちなみに体験走行ということでペースはどんなもんなのかなと思っていたのだが、前走車を追い越さない程度のスピードは出せるのでシケインではスローダウンするしストレートでは100km/hを越えるくらいまで加速することが出来る。これならMT車でも良かったかなと思ったがもう後の祭りだった。(マークXではパワーがあるのでほぼ2-3速に入れておくだけで済んでしまう……)

前後の車があるので当然抜いたり抜かされたりするわけにはいかないが、その枠の中でアウトインアウトでコース幅を目一杯に使って走ってみれば実際にサーキットを走っているんだという感慨がふつふつと湧いてくる。意外に狭く感じたり、ゲームで感じたアップダウンなんかもいちいち新鮮だし、撮影しに来た時に各スポットでカメラを構えていたことを思い出しながら今はこちら側(?)であることが誇らしかったりする。そうこうしているうちに三周の周回はあっという間に終わってしまった。とても楽しかったので次は自分の車で来てみようと心に決めたのだった。

さて、せっかくなのでもう少し遊んでいくことにする。富士スピードウェイ内には本コース以外にもショートコースやカートコースなどがあり、カートは7周1,500円で借りられるということでそれも乗ってくことにした。ちなみにこの値段、普段会社の有志でやっている県内某所でのカート大会(同程度のコース長で練習走行含めて15~20周・参加費5,000円くらい)に比べても安い。

f:id:seek_3511:20160618124018j:plain今日のレンタカーPart3。車としてはこれ以上ないくらいシンプルなもの。

初見のコースなのでギリギリを攻めるわけにもいかず抑えめに走ったのもあるのだろうが、以前走ったことのあるカートコースのカートよりも扱いやすくて拍子抜けした。普段乗ってるカートはハンドル真っ直ぐでブレーキを踏まないとすぐスピンするし、ブレーキも考え無しに踏むとすぐロックするので非常に気を使うのだ。見た感じ仕組みは一緒に思えるのだが、謎である。

その後は30度バンクを見学したりしてから飯を食いに行き、再びコペンで箱根を越えてのんびりと一般道を使って帰ってきた。この日の気温は30度を越えていたが、箱根は標高が高いせいか涼しくてやはりオープンカーにはちょうど良い感じであった。トータルでは総行程150km行かないくらいのショートツーリングであったが燃費はメーター読みで16.4km/lと優秀で、ちょっとコペンがうらやましくなった。

……このレンタカーを借りるシリーズも段々ひねくれてきて、とうとう家に車あるのにレンタカーを借りて更に行った先で別の車を借りて走るというメタ的な領域にまで到達してしまったが、これはこれで大変面白かった。レンタカー云々はともかくとしても、サーキットでこうした体験走行が出来るというのはあまり周知されていない気がするし、とかく敷居が高くなりがちモータースポーツに初めて触れるという意味でも面白いのではないかなと思うのである。

もちろんこれを体験してからは、一度くらいは先導無しのフリー走行がしてみたいと思うのも自然な流れなわけで、帰ってきてからその辺りを調べ始めている自分がいたりするという……。