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無名サイトのつづき

Googleのサービスを使う上でChromeよりもIEのが良い場合があるという話

初めに言っておくと、ブラウザは現在はVivaldi派である。

まだ広告が付いてた頃からのOperaユーザーだったのだが、なんだかんだでレンダリングエンジンが変わったり資本が変わったりしてOperaはあかんなという感じになったのでVivaldiに乗り換えてだいぶ経つ。とはいえ今回それは本論ではない。

話は変わり、ここ数年は趣味として文ばっかりの同人誌を書いているのだが、原稿はだいたいGoogleドキュメントで執筆している。理由はといえばほぼ常時上書き保存が行われるという安心感が一つと、モバイルデバイスから編集が出来るので最悪原稿が間に合わない場合に通勤時間に校正や書き足しが出来るという部分からである。

当初はテキストエディタを使ってローカルに保存していたのだがこれはモバイルからの参照性に劣るし、同人誌の原稿となると注釈を書き込んでおきたくなる場合も多く、かといってワープロソフトを買うほどではない(今考えると文字数を考えればワープロ買っても元取れるくらいは使っているのだが)と思いGoogleドキュメントに落ち着いた。

しかしGoogleドキュメントには執筆する上で致命的なバグ的挙動があり、以前から不満を持っていた。そしてこの度一念発起して解決作がないかどうかを調べた結果、タイトル通りの結論に至ったというわけである。

以下、具体的に何が起きているのかの説明。

一般的に、日本語入力ソフトは文節で区切って変換する。何故なら、どういう区切り方をするかによって変換結果が意図しないものになる可能性があるからである。これは日本語かな漢字変換が生まれた当初からある問題だし、未だ完全に解決もされていないと言って良いだろう。当然、同人誌の原稿を書く場合も無数の変換作業を行っている。

で、通常こういった変換というのは「何処で文節が区切れているのか」がわかるような表示がなされる。つまり、下記のような状態である。
(以下Windows10+ATOK定額版Ver.31 Vivaldi2.5及びGoogle Chrome81にて表示)

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Google検索(Vivaldi)

こういう表示になるからこそ、我々は自然に文節を動かして「いとうで/いちばん」にしないと意図した変換結果が得られないと判断しているのである。これはもう当たり前の機能であり日本語変換の本当のコアの部分であると言って良いだろう。

で、この表示はサイトやブラウザによっても多少変化するようだが、だいたい似たような挙動を示す。

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Twitter(Vivaldi)

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はてなダイアリー編集画面(Google Chrome)

多少見た目は変わるが、何処で文節が区切れているかが分かることこそ、文節を区切って変換する日本語かな漢字変換には必須なのである。とまぁそういう話をした上で、Googleドキュメントでの表示を示す。こうなる。

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Googleドキュメント(Google Chrome)

ふざけんな。

思わず往年のテキスト弄り系サイトみたいな真似をしてしまったが、要するにこれが「致命的なバグ的挙動」なのである。GoogleドキュメントはGoogle Chrome(及びVivaldiなどのChromiumを採用したブラウザ)では文節区切り線が表示されないため、日本語変換が著しく困難なのである。

しかもこの表示、少なくともこちらの環境では数年前に導入した当初からこうなっている。執筆環境をGoogleドキュメントに移した初期からずっとこの不満があったことを覚えているからだ(前述の利便性もあるので我慢して使っている)。

仕方ないので「この誤変換結果はたぶんこの辺で文節が区切れているのだろう」という心眼でもってカーソルを叩いたりスペースを叩いたりしながら無理矢理執筆してるのだが、よく考えなくてもこれは効率が悪い以前の話だし、むしろよくそんな環境でこれまで書いてきたなと思っている。

ちなみにATOK以外にMSIMEやGoogle日本語入力でも同様の挙動なので、IME(FEP)側の問題ではない。

で、この挙動はどうやらGoogle Chromeのコミュニティにも似たような症状が報告されているようなのだが、困ったことに何年も前から話題に出ていながら、解決している様子が見られない。

support.google.com

support.google.com

この問題、何が腹立つって当方の環境下ではGoogleドキュメント以外では上記スクリーンショットに示した通り正常に動くのである。なので、上記の通りGoogle Chromeのコミュニティで話題になっているものの、本来直すべきはGoogleドキュメント側であるような気がしてならない(実際、少なくとも当方ではGoogleのテキストボックスやTwitterはてなダイアリー編集画面でこの症状は出ていないのだし。

で、まさかと思ってIE(Ver.11)で表示したら正常なのである。表示はいかにも昔のワープロソフトのようでなんとも古くさいが、しかし文節が見えるということの方がよほど大切であろう。というわけで、なんかこう納得出来ないものの、とりあえずIEで使うことがこれらの対策と言えるだろう。

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Microsoft Internet Explorer

しかしこの見た目、ATOKなのに昔のMSIMEみたいでなんかこう落ち着かない。

ちなみにChromiumベースになった世代のEdge(Ver.44)ではGoogle ChromeVivaldiと同じ挙動なので、レンダリングエンジンがChromiumな限りは発生しているものと思われる(このためにFirefoxSafariを入れる気力はなかったので未検証)。

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Microsoft Edge

まさかの「Googleのサービスを使うためにGoogleのブラウザを使うと使い勝手が悪い」という現象を目の当たりにしていて、正直とても居心地が悪い感じなのは確かである。あと報告されてるのに直ってないという辺りも。

そしてその気持ちは、このブログ記事を書くためにEdgeで検証してる最中に最高潮に達した。

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ねぇそれ今言う???

 

---4/25 22:00追記---
上記のような理由により、当面IEで執筆すればいいかと思ってたのだが、Chromiumでは発生しない別の不具合が発見された。当方の環境はhpの5kディスプレイを使用しており、ネイティブ5k解像度だとやや目に厳しいため、Windows側でスケーリングを125%にしている。web閲覧にはこれでもよいのだが、執筆作業は閲覧ほどの一覧性が不要でむしろ見やすさ重視ということで、Googleドキュメントのスケーリング機能でさらに125%表示にして使用している。

で、IEGoogleドキュメントをスケーリングすると下図のようになる。

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IE 125%スケーリング表示

変換中の文字が一回り小さいことがお分かりだろうか。そう、「確定後の本文」はスケーリングされ「変換中及び変換直後の本文」はスケーリングされないのだ(確定後ワンテンポ置いてスケーリングが反映される)。あまりにも格好が悪いし、だいたいやりづらい。そういうわけでIEを使うというのもナシということになった。

スケーリング表示で編集している方がわりとレアケースだとは思うが、しかしそうはいっても実際にそうやっている方にとっては大問題である。結局今手元にあるブラウザで快適に執筆出来るものは存在しないということになってしまったという……。