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インターネット

無名サイトのつづき

ペンタックス フィルムデュプリケーターを試す (VS フラットベッド)

現在、フィルムをデジタルデータに変換する手段は非常に限られている。

135判に関して言えば以前購入したCOOLSCAN 4が非常に良い働きをしており、少なくとも解像度や画質面での不満はいまのところ出ていない。欲を言えば動作速度面からこの上位機が欲しいのは確かなのだが、今更フィルムスキャナーに出せる金額というものを考えると、この辺りがよい落としどころであろうというのも感じている。なので、新規に投資して買い換えようという気にもなっていない。

そんな中で、一つの問題は135判よりも大きなサイズの取り込みであった。

中判以上のサイズのフィルムスキャンは現在、下記の方法のどれかを使うしかない。

 1.フィルムスキャンに対応したフラットベッドスキャナーを使う
 2.中判以上のスキャンに対応したフィルムスキャナーを使う
 3.店舗にスキャンを依頼する

さて、最初の方法が一番メジャーで、個人でやるとしたらこれが一番手っ取り早い。既に絶滅寸前ではあるが、一応新品で買えるフィルムスキャン対応モデルがあるので、それを使えばよいという話になる。二番目は多分個人でクオリティを求めるとここに行き着くと思われるが、既に新品のスキャナは存在せず、オークション等に流れる中古品もべらぼうに高い。三番目は依頼する場所によって額はまちまちだが、コマ辺り最低でも数十円はするため、手持ちの全コマをアーカイブするには無理のある方法といえる。

とはいえ、今更フラットベッドスキャナーを買うのもなぁと考えていたあるとき、知り合いからスキャナー(Canon canoscan 8800F)を処分するという話があったのでこれ幸いとばかりにそのまま譲り受けた。

これで我が家にはドキュメントスキャナー(scansnap)と複合機(MP960)とフィルムスキャナー(COOLSCAN 4)に加えてフラットベッドが仲間入りしたわけで今更ながら置き場所に頭を抱えているが、ともかくこれでフィルムスキャンの体制はバッチリである。

……こんな中で、ペンタックスからフィルムデュプリケーターという製品が発売されている。要は昔からあるデュープ機材を現代に復活させたようなものなのだが、これのメリットとしてスキャン時間が早い(何せワンショットである)こととマルチフォーマット対応だということがある。

デメリットはといえば価格が結構高価なことと、これ以外にもいろいろと必要なものが多いというあたりである。が、CP+の際に短時間ではあるが試させてもらったので、ここにほぼ同等の条件でスキャンした比較を置いておこうかと思う。なんで今更CP+の時の話をというと、CP+の後にスキャナを譲り受けたのでどっちのが画質良いか気になっただけである。

 比較画像はこちら Flickr (ポジ1枚とクロス現像1枚)

なお、CP+会場で試したのはK-3との組み合わせであり、横位置のカメラで縦位置のフィルムを取り込んでいる。これは、もう一セットあったデモ機の645Dであれば横位置にも三脚穴があったのだがK-3では煩雑になるのでそのまま取り込んだ次第である。なので画素数は無駄になっており実質1200~1600dpi相当くらいである。

クロス現像についてはスキャナ側での色補正がだいぶ介入しているので色合いは大きく異なっているが、ホワイトバランスを弄くってフィルムデュプリケーターでの結果に寄せたものも掲載しておく。厳密に同じ色には出来ていないがそこはご愛敬……。

結果についてだが、フィルムの平面性の問題か、クロス現像についてはフィルムデュプリケーターの勝ちという感じだが、あまりカールしていなかったポジについては言うほど差が無い。実際、同じ解像度だとフィルムデュプリケーターの方がシャープネスは上に見えるのだが、更なる高解像度でスキャンしてみるとフラットベッドでも同等以上の解像が得られる。

この結果をどう捉えるかはとても難しい問題である。ワンショットでここまでの画が得られるフィルムデュプリケーターが凄いということも出来るし、いやフラットベッドの数倍の値段で同等にしかならないのかということも出来る。

結局、フラットベッドではフィルム平面性の問題にぶち当たり、それを考えるとやれガラスキャリアだの液浸だのを試す羽目になり、必然的に取り込み速度は犠牲になっていく。たとえそこは我慢したとしても、次に出てくるのはニュートンリングとホコリとの戦いである。作品にするただ一枚をスキャンするならいざ知らず、膨大なフィルムをとりあえずデジタルデータにしたいという要望からすればピントの問題を妥協して純正フィルムキャリアを使うほかにない。

そこを考えれば、1コマだけで連続取り込みが出来ないとはいえ四辺を押さえ込むしっかりとした作りのフィルムキャリアを持つフィルムデュプリケーターは、平面性の問題もいくらかは解決出来ているように思える。実際に、カールの強いX-Pro200でよりよいスキャン結果が得られたのもフィルムデュプリケーターの方だった。

一つ言えることは、大サイズフィルムを高画質で残せる環境はもはやここに挙げたいくつかの方法しか残されておらず、そのうち新品で買うことが出来るのも、またわずかな選択肢しかないという、それだけである。