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無名サイトのつづき

新フィルムカメラはじめました2 [FUJI GS645Sを使ってみる:撮影編]

前回のあらすじ。安かったのでカメラ買った。

と、いうわけで初めての中判となる富士フイルム GS645S Proを購入した。撮影にあまり影響しなさそうな不具合ありということで、保証は付かなかったのだが、一応一週間以内に記載事項の問題があれば返品を受け付けしてくれるという話なので早速試し撮りすることにした。

と、その前に簡単に購入したカメラについて。

GS645Sは、フジカGS645 Pro(1983)から始まるGS645シリーズの一員で、画角的には三機種発表されたうちの真ん中に当たる。基本的な筐体は共通のようだが、レンズの違いに応じて機構についても若干変更が加えられている。

・GS645 Pro → 75mm F3.4 蛇腹式沈胴鏡筒 距離計搭載
・GS645W Pro → 45mm F5.6 固定鏡筒 目測機
・GS645S Pro → 60mm F4 固定鏡筒 距離計搭載

この三兄弟の中では最も後から発売され、最も中庸なスペックを持つのが今回購入したGS645Sのようだ。元々この機種を探していたわけではなかったので、購入は偶然そのものだったが結果的にはよいセレクトだったと思う。

というのも、目測機となるWは流石に敷居が高いし、この機種の祖となるGS645はその最大の特徴である蛇腹がアキレス腱であるとの情報をいくつも見かけた。どうも材質自体の耐久性に難があったようで、もし修理すれば今回の購入価格どころの騒ぎではないようだった。

そういう意味では、見づらくても距離計が付いており、畳めない代わりに蛇腹のないGS645Sはまさに今の自分のニーズにはピッタリと言えるだろう。35mm版換算で約37mmというレンズも、個人的には今ひとつ掴み切れていない画角とはいえ、オールマイティに使えそうである。

現像のリードタイムを考えると、あまりうかうかもしていられないということで、購入翌日には早速試し撮りに出かけた。行き先は横浜。まぁ近所でお手軽に……という話であるが、これには転勤を経ての心境の変化もある。

この一年、地元を離れてみてふと思ったのはあまりにも地元のことを知らなすぎるということであった。元々は鎌倉市民で、ここ数年は横浜市民(そして一年だけ大阪市民)だったのだが、観光地には事欠かなそうな立地にも関わらず、もしくはそれが故に、そうしたものには積極的に触れていなかった。

出身地をこれまで離れたことがなかったので、これまではそういった事についても何か感じることはなかったのだが、ふと何かの拍子に「地元を離れて今は○○在住です」と言う度に、地元って何? みたいな気持ちになったのだ。

そうした心境の変化もあり、旅行は旅行で続けるとしても、まずは積極的に近所をうろついてみようと思い至ったのである。

今回は、石川町駅で降りて洋館群→外人墓地→港の見える丘公園山下公園氷川丸→赤レンガ倉庫→みなとみらい→横浜駅まで歩いてそのまま現像出して帰るというルートを取った。駅にして3駅分歩くだけなのだが、撮り歩きとなるとそこそこ時間はかかる。

以下、撮り歩きしていて感じたことなど。

・買ったばかりなので適当なストラップがなく、常に裸で持ち歩いていたのだが中判としては異様なまでに軽いので負担に感じない。
・質感が低いとか扱き下ろされていたプラスチックボディも、この軽さを実現する為であればすんなり受け入れられる。645版なら持ち歩けてこそのカメラだと思う。
・分割巻き上げは出来ない。巻き上げ角が大きな中判なのでちょっと面倒だが、そういうものだと思って使えばさほど気にならない。
・ファインダーは見にくい。実は初めてのRF機なのだが、薄い二重像式のファインダーや、フレームの枠外が見えていることには違和感があった。
・当たり前だが露出情報はファインダー内に見えない。露出計はF2AS同様の三点LED式なのでこの点においてはすんなり慣れることが出来た。
・露出計のスイッチは半押し。F2のような巻き上げレバーではない。シャッターロックは操作しやすい位置にあり速写性も妨げない。
・半押しが軽い上に露出計のLEDが見にくい時があるので最初は露出計を見ようとしてシャッターを切ってしまう事故が頻発した。そのうち慣れたけど。
レンジファインダーな上に外光式の露出計であり、TTLではないのでレンズキャップが嵌まっていてもファインダーを覗くと普通に撮れてしまう。このせいで何枚か無駄にしてしまった。最近のカメラではあり得ない失敗なので注意してなかった……。
・結局、露出計のみ搭載のフルメカ機なのでF2ASに慣れていると思ったよりも似たような感覚で使える。一眼レフかレンジファインダーかの違いはあるのだが。
・37mmという画角はスナップにも十分使える。ミラーがない分スローも思ったより安定して切れていそうという感覚。これは上がりを見てみないとわからないが。
・全体に、撮るにはよさそうなカメラ。モノとしての愛着という部分よりは道具としての実直さが勝ってそうだなというのが一日通しての感想。実際やってる事自体はGRとか使ってる時と変わらない。

そもそも中判というある程度特別なカメラで、普通にスナップが出来るという事自体驚きの事実であった。思ったよりもどうにかなるものだ。

そして現像の上がりは三連休+現像所送りで中一日のため、今週木曜日。果たして結果はどうなっているものやら。