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無名サイトのつづき

新フィルムカメラはじめました [FUJI GS645Sを使ってみる:購入編]

人生が行き詰まれば行き詰まる程カメラが増えると気が付いて久しいが、今回もまたカメラを買ってしまった。

年初にあたり、今年こそカメラを買わないで生きていけるのではないかと思っていたのだが、そういう希望は年が明けてから10日ほどで潰えたことになる。ちなみにこれまでの最短記録は、数年前の元日に初日の出を撮りに行った帰りにハードオフが開いてるのを見つけてその場でMZ-5とFA50/1.7とFA135/2.8を買った時の年が明けてから10時間である。これに比べればだいぶマシなのではないかと思う。というかこれは頭がおかしい。

閑話休題

金曜日のことである。一週間の区切りということで仕事も早々に切り上げて帰路に付いていたのだが、途中乗換駅に降り立つと接続先の電車が人身事故で遅れていた。このまま電車を待っていてもどうせ寒くて凍えるだけなので、どうせ定期だから金もかからないということで途中下車することにした。というのも、駅前には中古カメラ屋が一件と、量販店があるのでその辺りを冷やかしていればじきに遅れも収まるだろうという魂胆である。

早速中古カメラ屋をチェックすると、ザッと見てもめぼしいものはないが、ふと一つだけ50%引きの値札が付いているのを見つけた。価格は──25kの半額なので、12.5kである。どれどれと思って見てみると、富士フイルムのGS645S Proであった。その名の通り、645版の中判カメラである。

実を言うと、ここ半年くらい中判カメラがずいぶんと気になっていた。昨年ニコンF2を買って以来ちびちびとフィルムを使っていたのだが、やはりフィルムはフィルムで触っていて楽しい。しかし、フルサイズのデジタル一眼レフを既に所有している以上、フィルム機を買い足すにはやはり何かしら特徴が必要である。F2の場合は露出計以外電池不要のフルメカ機であるということと、Fマウントということが所有意義であった。これと被るような機種では買っても使わなくなるのが目に見えている。なので、気になる機種があっても35mm一眼レフを買うのはグッと我慢してきた。

そのため、フルサイズのデジタル一眼レフを部分的に凌駕する機種として、単純に大フォーマットの中判カメラが気になりだしたという流れである。しかし、探し始めると途端に見つからなくなるのが中古カメラの面白いところで、以前はペンタックス645なんかであれば安値でゴロゴロ転がっていたのに、パッタリと見かけなくなってしまった。

そもそも、F2が修理代含めて1万円程度という経緯からしても、今更フィルムカメラに何万円もかけるつもりは毛頭ない。追加でフィルム代がかかることを考えても、出せるのはせいぜい1万くらいである。こんな予算なので、一向に出物に会うことはなかった。

しかしである。今目の前にあるのはちょっと予算オーバーとはいえ紛れもない645版。元値の25kはまぁ相場なりといったところだが、それが50%というのだから安いのは間違いない。案の定不具合があるようで、注意書きには「エプロン部がたつきあり」とある。

この時、わりと冷静であったのでまずは頭を冷やすつもりで一旦離れて、量販店に向かった。本来、こうした行動は掘り出し物を見つけた時はしてはならない。こういう時ほどタッチの差が勝負を決める。このほんの少しの躊躇に泣いたのは一度や二度の経験ではない。とはいえ、中判カメラは元々凄く欲しかったわけではなく、そのうち良い物見つかればいいな程度の気持ちで探していたのだ。その程度の物欲にとって、1万円オーバーというのは大金である。

……で、結局グルグル回ったあげくに再度来店して見せて貰うことにした。エプロン部がたつきというのがどの程度のモノか確認したかったのだ。すると、見せて貰う間に店員が簡単な来歴を教えてくれた。曰く「元々は通常中古として販売し、買い手が付いた」「しかしそのオーナーが試し撮りまではしたががたつきが気になるというので返品」「以来半年買い手が付かず、最近値下げした」つまり、半年前までは少なくとも普通に動いていた個体ということである。

実際のエプロン部がたつきというのは、エプロン部のプラスチックカバーが確かに外れそうなくらいにがたついていた。しかし、当初懸念していたレンズ鏡筒の光軸とは関係のない別パーツのようだ。これを直すと全バラになるので利益が出ないため、売り切ってしまうとのこと。まぁ気になるならパーマセルでも貼っておけばいいのではと感じた。

それ以外は来歴を聞く限りしっかりした個体のようだし、保証は付かないがもし何か問題があるようであれば一週間は返品を受けてくれるという。となれば、「ジャンクでない」中判カメラで1万円少々はいくら相場が下降気味といっても破格の値段である。

結局、カード会社のポイントが貯まっていたということもあり購入してしまった。

購入したその足で再び量販店に赴き、返す刀でベルビア100Fの5本パックを購入。あれよあれよという間に中判デビューの準備が整ってしまった。この間、電車が遅れたところから数えて二時間弱。

と、ここまでが二日前の話。相変わらずどうしようもない流れではあるが仕方ない。だって安かったんだもの。ジャンクみたいなもんだし本当に安かったのかどうかはこれから判断するにしても。