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無名サイトのつづき

新フィルムカメラはじめました4 [MINOLTA TC-1を使ってみる]

というわけで、TC-1なのである。

今となっては最後のロッコール銘となってしまった28mm F3.5のレンズに、コンパクトデジカメと言っても通るサイズのチタンボディを纏った、ミノルタ最後の高級フィルムコンパクトなのである。ずっと欲しいなーとか使ってみたいなーとは思っていたのだが、10年近く作られていた割には中古が少なく、また高値安定であることから今まで購入には至らずにいた。

ちなみに今でも4万円を切ることはほとんどなく、またlimitedの場合はさらに高価で10万を切ることはない。このフィルム機滅亡寸前のご時世にあって、同時代の一眼レフフラッグシップであるα-9ですら安いモノなら3万も出せば買えることを考えると、どれだけ値崩れしてないのかわかろうというものである。

そんな名機を、ひょんなこと事から借り受けることが出来た。

会社の休み時間に、たまたま偉い人がカメラ趣味なのを知って、カメラの話で少し盛り上がった際にTC-1が欲しいという話をしたところ、なんとご厚意で所有している個体をしばらく使って良いということになったのだ。

ちなみに、この偉い人というのは(いくら中小企業とはいえ)経営役員なので本来ヒラの人間が気軽に話しかけていいレベルの人物ではないのだが、割とフレンドリーな方なのでなんとか許されている。

万一落として壊しでもしたらきっととんでもないところに飛ばされてしまうのではないだろうかという予感はするが、ともかくせっかくだらか使ってみようということで、ここ二週間ほどは色々なフィルムを詰めて撮り回っていた。

最近はデジカメ以外にも一通りのカメラを触っていたこともあって、操作には簡単に慣れることが出来た。絞り優先オンリー機という一見超硬派なスペックなのだが、適正から外れるとプログラムシャッターが働く仕組みになっているので実際のところはさほど焦ることもない。開放値がF3.5とそう明るくないこともあって、だいたいF5.6あたりに合わせておけばどうにでもなるのだ。

電源が入っていない時はフルフラットで完全に箱形のボディになるし、そのボディサイズも二昔くらい前のIXYデジタルくらいなので、全くデジタルにも引けを取っていない。それでいて現代風の言い方をすればフルサイズ機である。まぁそんなことを言ったら写るんですでもなんでもフルサイズ機なんだが、あのRX1よりもさらに一回り小さいくらいである。

電源を押すとすぐにレンズが飛び出し、同時に特徴的な四角い鏡筒の周りに配された絞りレバーが操作可能になる。F3.5/F5.6/F8/F16の四段階で、絞り羽根ではなく円形打ち抜きの完全円形絞りである。F11がないのはスペースの関係かもしれないが、ISO400のネガを詰めているとF8でも1/500にぶち当たるので結構頻繁にF16を使う事になる。そうするといきなりシャッター速度が二段落ちるので、実用上の問題はないのだがちょっとビビる。

なお、ファインダー内の表示はコンパクト機ということもあって何でもかんでも表示されるというわけではないのだが、だいたいのシャッター速度と共にフォーカスインジケーターが付いているので、完全にピンボケで写真を撮ってしまうということもあまりない。

つまり簡単に撮ろうと思ったら、フォーカスインジケーターでピントの中抜けを確認して、あとはシャッター速度がオーバーなりアンダーになっていないか確認するだけである。あとはシャッターを切る。高級コンパクトという響きからは拍子抜けするほどに簡単だ。そういえば今所有してるフィルム機の中では唯一自動巻き上げだったりDXコード対応だったりするので、初めてフィルム装填した時は感動してしまった。一体いつの人間なんだと自分でも思う。

シャッターボタンが非常に軽いのが若干怖いが、これは段付きの少ないいわゆる一眼レフ中級機以上のシャッターに感触が似ていて、明確な段付きのある初級一眼レフ的なボタンよりも手ブレは少ないだろうことが予想される。

では、凝った撮影が出来ないのかというと全くそんなことはない。むしろ非常に軽快に操作出来る。デフォルトではフラッシュが発光禁止なのも好ましいし、露出補正のやりやすさはコンパクト機とは思えないほどよい。MFも可能だし、その場合はAFに一発で戻すキーもあり操作系は非常によく考えられている。スポット測光キーもあるので、これと露出補正を使いこなせばマニュアル露出に近い芸当もやってのける。なんとも間口が広くて懐の深いカメラである。

というわけで、各所で褒められてるだけのことはある良いカメラだなぁというのはよーくわかった。あとは肝心の写りであるが、いまのところ現像から戻ってきてる白黒のネガを見る限りは写りの面でも評判は納得というところである。ただ、詰めていたのがISO400だったということもあって、各所で語られる開放での味わいのある周辺光量落ちはまだ目にしていない。随時低感度のポジなど詰めてみようと考えているところである。

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M
INOLTA TC-1 + FOMAPAN 400 [scan by NIKON COOLSCAN4]

こっそりNIKON COOLSCAN4とかいうのが増えているが、これについてはまた後ほど。完全にアホですね。