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無名サイトのつづき

理想の速写ストラップを求めて

最近斜めがけの幅広ストラップ+底吊金具のいわゆる「速写ストラップ」なるものが流行している。

このタイプとしてはやはり先行するブラックラピッドが有名だと思うが、今は各社参入していて、二番手以降は群雄割拠といった様相を呈している。これら速写ストラップの利点としては、斜めがけにすることによって持ち歩き時に両手がフリーになることと、吊られたカメラがストラップに沿ってフリー移動することで、ケースにしまい込んだり普通のストラップで肩に掛けている場合に比べて格段に速写性が高いことにあると言える。
これらのストラップは、実際便利そうではあるので気になってはいたのだが、いくつかの不満点と不安があるためこれまでは導入してこなかった。この辺りは各人の使い方によっても意見は分かれると思うが、概ね下記のようなところである。
 
 1.三脚穴で吊るという機構上、緩めば即落下する
 2.↑の割には緩み止めになる機構がなく自己管理となる
 3.三脚穴を潰す関係上、外さなければ三脚に取り付け出来ない
 4.高い
 
あとはそもそも三脚穴というのは吊り下げた場合に負荷がかかっても耐えられるものなのかなど色々疑問点はあるのだが、結局のところこれまで試してこなかった理由は何よりも高価だというところに尽きる。
なにせブラックラピッドでいうと、一番ベーシックとされているクラシック(RS-4)でさえ7,600円もする。正直なところ3000円も出せば買えそうなストラップに三脚穴金具が付いたらこの値段というのはどうにも納得がいかない。かといって、他のメーカーが安いかというとそうでもない。よくブラックラピッドとの比較で名前が挙がるところとしては、サンスナイパープロが9,500円キャリースピード……はハクバが取り扱いをやめてしまったのか価格が消えているがやはり10,000円弱していたように思える。
要するに1万円弱くらいはするわけで、これは適当な中古のレンズが買える額である。
しかも、それらのストラップは先ほど言ったような弱点以外にも、実際こまごまとしたところで気に入らない点がある。というわけで、個人的に速写ストラップに求める条件を書き出してみた。
 
 1.安い(~5,000円程度)
 2.肩パッドが大きく、持ち歩いていて疲れないこと
 3.バックル等で簡単に脱着ができること
 4.ボディにキズが付きづらい材質・形状であること
 5.(底吊の場合)手に当たっても痛くない形状であること
 6.(底吊の場合)三脚との併用が可能なこと
 7.(底吊の場合)緩みにくい形状であること 
 8.(底吊の場合)外して床等に置いたときに平置き出来、転がらないこと
 
我ながら、結構無茶な条件である。5と6は条件としてはわかりにくいので、それぞれ想定しているシチュエーションを挙げる。
「手に当たっても痛くない形状」というのは、縦位置グリップを付けた場合のことを想定している。縦位置グリップを付けると、縦で構えた場合の握る手のひらの位置に三脚穴が来るので、ここにあまりゴツい金具を付けたくないということである。特にコミケ等の撮影なんかで縦グリップを付けつつ運用したい時のことを想定している。
「三脚との併用」は上の条件と矛盾するようだが、実際に異なる運用シーンを想定している。今度は旅行などで、三脚を持ち歩きつつも基本は手持ち撮影というシーンを想定している。こちらだけに用途を絞るのであれば、ストラップの通せるアルカ規格の底吊金具+アルカ規格三脚プレートという手もある。ただし、間違いなくゴツくなる。
さて、こんな無茶な条件を満たす既製品は存在しなかったので、適当に製品を組み合わせることにした。ベースとしたのは下記の二製品である。
以上、この組み合わせでポイント還元を考えれば5,000円を少し超える程度である。しかし、たったこれだけで上記条件のほとんどを満たすストラップが完成してしまう。
XA-PC1は本来GARIZ社製のフックと組み合わせて使用することが想定されているようなのだが、その金具とは別にストラップホールが空いているため、たいていのストラップを通すことが出来る。
このホールは二カ所空いているが、敢えて両吊りでストラップを通すのではなく、片方からのみユーティリティストラップのループを通す。そうすれば(取り付ける向きは制限されるものの)プレートのサイドに溝が切ってあるのでアルカクランプの雲台にそのまま投入可能なのである。これを両吊りにしてしまうとアルカ溝への挿入がめんどくさいのだ。
この組み合わせの難点を挙げるとすれば、実用一点張りのOPTECのストラップがクソダサいことと、何故か吊り金具(プラバックルだが)が二個付いており、使用していない側が邪魔で仕方が無いことくらいである。このバックルは部品として売っているので、実際はやっていないが三脚穴オンリーでの固定が不安であればこちらにワイヤーを通して本来のストラップ金具にテザーを通しておくというのもいいかもしれない。
というわけで、机上では最強のストラップが出来たに違いないと感じたので、この夏の北海道旅行に実戦投入してみた。実際にどうだったかは、下記の通り。
 
よい点
 ・速写ストラップとして十分な基本性能。疲れにくい幅広肩パッド
 ・腰だめの位置にカメラが来るため歩き撮りが捗る
 ・バックルで付け外しが簡単なので、カメラ不要なシーンで素早く行動出来る
 ・手持ちで邪魔にならないサイズと形状の底吊り金具
 ・三脚との併用がスムーズ。面倒な付け替え不要でどちらもこなせる
 
微妙な点
 ・α900の仕様で、撮影位置をセンサーで見ている為底吊りして持ち歩くと
  常にセンサーが感知して撮影スタンバイ状態になり、通常より電池が減る
 ・手持ちの雲台(Induro DM12)と微妙に相性が悪い。固定は出来るがこじると緩む
  実のところどちらもアルカスイス規格を謳ってはいないので自己責任か……
 ・緩みは一週間毎日肩から下げても発生しなかったが、それ以上は不明
 ・腰の位置にレンズが来るので、しゃがむ時などにおっかない
 
……といったところだろうか。概ね結果には満足している。実際のスナップ等には普通のストラップを手に巻き付けて使うのが好きなのだが、常に片手でカメラを構えて移動出来る「撮影がメイン」の時と、旅行などの「撮影がサブ」で両手空けたい時はどちらも存在する。
そうした時に、こういったストラップは大変有効なのではないかと感じた次第である。