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インターネット

無名サイトのつづき

飛行機を撮りに行く 羽田空港:城南島海浜公園編

(前回までのあらすじ:またα900壊れた)

さて、何度目かの故障であるところのSSM動作不良が生じたα900であるが、実のところSSMの電源周りとそれ以外のAF系統は別らしくボディ内モーターのレンズを使う限りにおいては特になんの問題もない。GWが明けてからも週末は五月晴れが続き、こんな日にカメラを使わないなんてもったいないというわけで修理に出すまでの間は使い倒すことにした。
しばらく手元から離れるわけだし、せっかくだから普段は撮らないものや撮り方をしてみようと思い、飛行機を撮りに行ってみることにした。
思えば大阪勤務時代に千里川の土手(有名撮影スポット)に行こうと思いながらも一度も行けないまま転勤になってしまい、その後も再訪するチャンスはあったものの、ことごとく予定が合わなかった。
結局、先日関西に行った際に伊丹の展望台から飛行機を撮ること自体には成功したのだが、せっかくなのでもう少し色々撮ってみたいと常々考えていたのだ。
というわけで、撮影出来そうなところを探してみる。一番近いのは当然羽田で、中でも埋め立て地の公園から狙うのが定番らしいということで思い立って行ってみたのが二週間前の話。
バッグには今まであまり使い道のなかったMINOLTA APO100-400/4.5-6.7と、それだけでは画質面で不安なので200/2.8に1.4テレコンも持って行くことにした。
有名撮影スポットで、比較的短めのレンズでも撮影出来るという記述を見かけたので手始めに城南島海浜公園へ行ってみることにした。京急平和島駅を降り立ち、現地まではバスが出ているらしい。早速バス停を見つけるものの、赤信号に阻まれ、そうこうしているうちにバスが来て、目の前で行ってしまった。
まぁそういうこともあるよな……と思いつつバス停の時刻表を見ると、バスは一時間に一本(※休日ダイヤ)。結局、途中までは別のバスで向かい、そこからおよそ3km歩いて公園へ到着。公園に着いて最初にしたことは付近のバス停の位置と帰りのダイヤの確認だったことは言うまでもない。
さて、昼過ぎに到着したのだが、当初はA滑走路を離陸する飛行機が行き来する時間帯だった。遠くから向かってくるのだが、400mmでも結構ギリギリで、当初はどこが"短いズームで楽しめる"撮影スポットだよと毒突いたり一応400mmまで持ってきて良かったと安堵したりしていたのだが、この季節離陸をずっと追っていると突然太陽が画面内に入ったりして心臓に悪い。

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SONY α900 + MINOLTA AF APO TELE ZOOM 100-400mm F4.5-6.7(少しトリミング)

当然飛行機に対しては逆光気味なので、コントラスト的には厳しく、jpg設定で若干コントラストと彩度を上げている。
離陸したての飛行機だし、晴れていれば光量も十分なので絞れるし速めのシャッターも切れる。α900のけして褒められたものではないAF速度でも十分に撮影することが出来る。
100-400APOはミノルタ時代の「ちょっといい望遠ズーム」といった趣のレンズで、Gレンズまでは行かないが無銘でもなく、一応APO(アポクロマート)を謳っている。ミノルタ純正としては最長焦点距離を持つズームで、単焦点まで入れても当時600/4Gと500/8レフレックスに続く望遠である。ちなみにこういう感じのレンズ
このレンズ、テレ端の6.7という珍しい暗さからもわかる通り、決して大口径超高級ズームではない。むしろそういった流れとは全く逆の方向性を目指したと思われるフシがある。
鏡筒の大部分はプラスチックだし、フォーカスホールドボタンはあるが、フォーカスレンジリミッターはない。400mmまでの超望遠にも関わらず三脚座もない。フィルター径は400mmとしては異様にコンパクトな72mm(28-70Gや200/2.8Gと同じサイズ)。そして驚くなかれ、このレンズ、前玉回転式AFである。いかにも重そうなピントリングから先の鏡筒が唸りを上げてグルグル回るのだ。当然、AFは遅い。αでAFが遅いレンズを挙げろと言われると28-70Gかこちらか悩むくらいである。

そんなレンズなので、正直使いどころが難しい。兄弟レンズに100-300APOというレンズがあるのだが、こちらは普通の100-300mmの前群をAPOレンズにすり替えただけとでも言うべきコンパクトさで、小型軽量な割には描写が安定しているので70-300Gを手に入れた今も手放せずにいるのだが、100-400はそれに比べれば流石に大きく重い。旅行に行くなら300mmまであれば十分で、400が欲しければトリミングで400相当にするという手もある。そうなると大きさ重さまで考慮に入れると今度は70-200Gにテレコンや70-300Gとも競合してしまうので、なかなかこれまでに活用の機会を見つけられなかったレンズなのだ。しかし、今回持ち出した感想としては晴天下に限って言えば、思ったよりもずっと使えるズームであった。

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SONY α900 + MINOLTA AF APO TELE ZOOM 100-400mm F4.5-6.7 

少し陽炎が立っているのでボケ味は妙なことになっており、高輝度部分にもフリンジが出てはいる(フロントフォークなど)が、解像度自体は思ったよりも悪くない。

このレンズの価値はただ一点、400mmまであるズームの中では最小クラスのコンパクトさである。その為に失った物は多々あるが、小型軽量さというのはその欠点を補って余りあるものだと思う。

よく欠点に挙げられる三脚座がないことや、鏡筒の大部分がエンプラだということもあって1kgを大きく切る重量を実現しているわけで、これは高解像度デジタルカメラ対応&テレ端5.6をキープしつつ4倍程度までの高倍率化orテレ端600mmまでの拡張がトレンドになりつつある現在の各社超望遠ズームのラインナップでは、二度と作られそうにない空白の領域である。そういったことも含め、独特のポジショニングを築いていると感じた。というか、今こんなレンズ作ったらいろんなところが怒り出しそうである。

そうこうしているうちに、風向きなのか時間によってなのか、使用する滑走路がAからB滑走路に変わったようで、今度はB滑走路に着陸する飛行機が続々頭上を掠めてくるようになった。こちらはまさに覆い被さるように飛んでくるので、タイミングさえ計れば200mmもあれば大迫力の写真を撮ることが出来る。おそらく"短いレンズでも~"というのは、こちらの運用の時を指していると思われる。

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SONY α900 + MINOLTA AF APO TELE 200mm F2.8 

こんな感じでアプローチしてくる。着陸前なので比較的落ち着いてフレーミング出来るし、なにしろ過密の羽田空港なので手持ちぶさたになる暇もない。撮ってピントチェックしていたらもう次の機影が見えている感じである。おかげで立ち去るタイミングがなかなか掴めなかったりもするのだが。

こちらの向きはこの季節完全に順光なので、とても撮りやすい。レンズも200/2.8にチェンジすると先ほどとは打って変わって大変快適である。なにせ、こちらにはフォーカスレンジリミッターがあるのでAFを大外しすることもないし、単焦点なので軽くて小さい。安普請の100-400と比べれば金属鏡筒は安心感があるし、写りも相変わらず切れがある。ただ、期待していたほど画質差があったかというと、正直なところ、ない。

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SONY α900 + MINOLTA AF APO TELE 200mm F2.8 

晴天順光であればAPO100-400が思ったより健闘するということでもあるのだが、やっぱり白レンズなのだから格の違いを見せ付けて欲しかったというのも正直なところである。

もちろん子細に見ればやっぱり200/2.8はシャープだと唸るし、悪条件下にこそ明るいレンズの価値があるというのは理解出来るのだけど、まぁこういう日だと100-400でも全然我慢出来るしズームは便利だなというのが当日の結論であった。劣悪な操作性とたまに見失うAFを考えると、ここ一番に使おうとは思わないが、帰ってきて等倍で見ても思ったよりはずっとよく写っているので、この程度のお気軽撮りなら正直言ってこれで十分だなという説得力を感じたのだ。と同時に、ようやくこのレンズを生かせる場所を見つけたという安堵の気持ちもあった。

これまで防湿庫で持てあましていたレンズに居場所を見つけられたわけで、それだけでも出かけた甲斐があったというものである。

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SONY α900 + MINOLTA AF APO TELE 200mm F2.8 

なおこの日の最終的な結論は、JALカード会員だけど撮影する分にはANAの塗装のが派手で撮り甲斐あって良いなと思ったことである。