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無名サイトのつづき

コミケ撮影覚え書き2:必要なものを準備しよう1(ストロボについて)

それではまず、必要な機材から書いていこうと思う。

本当に撮るだけなら、どんなものでもいいからカメラがあればそれでよいのだが、前回に述べたとおり、普通に一眼レフを使っていてたまたま人撮りしたことがないのでコス撮影でも……という流れなので、以降は一眼レフカメラを想定して書いていくこととする。一眼レフカメラ以外(ミラーレス機やコンパクトデジカメ)でも内容によっては参考になるところはあると思う。

ちなみに、自分が今年使った撮影セットは下記の通り。 

ボディ:SONY α900
縦位置グリップ:SONY VG-C90AM(バッテリ2個入り) 
ストロボ:SONY HVL-F43AM
レンズ:MINOLTA AF85mm F1.4G

これは元々自分がAマウント機使いだったからこのような組み合わせになっただけなので、ほかのメーカー使ってる人は適宜同等品に置き換えてもらうといい。またすべてが必要というわけでもない。形から入るタイプだったのでここまで装備が仰々しくなってしまったというところが真相。

カメラとレンズは後回しにして、この中で個人的に重要だと思っているのはストロボ。

自分はコミケ以外でストロボを使うことはまずない(そもそもα900にはストロボが内蔵されていない)けど、 やっぱりこういう場所での人撮りではストロボは必須だと考えている。

コミケでのコス撮影におけるストロボの使用目的としては下記二点が挙げられる。
1.日中シンクロを利用して様々な光線状況下でも顔に光を当てて起こす 
2.瞳にキャッチライトを入れる

1.については、コミケのコス撮影の場合は基本的に屋外+日中なのでさまざまな光線状況が発生する。普通のモデル撮影会であれば、あんまりにも撮りにくい立ち位置にはそもそも立たないし、必要とあらばレフとかで起こすことも出来る。だが、そこはコミケなので立ち位置はレイヤーさん依存だし、こちらから出来るのはせいぜい太陽からの角度を変えるくらい。それにしたって、場所によっては今度は目線が貰えないなどの悲惨な事態を巻き起こすのであまりに自由度は少ない。 よって、ド逆光とかでもきちんと顔が写るようにストロボを使うのだ。

後述する背景ボケとの兼ね合いからハイスピードシンクロ(FP発光) が出来る機種を選ぶのがオススメ。あと縦位置がメインになるはずなので首振りが出来る機種。もっとも、ハイスピードシンクロが出来るクラスのストロボであれば基本的に首振り出来るものと思って良い。また、カメコブラケットを付けるのであれば首振りはなくてもOK。

カメコブラケットとは自分がそう呼んでいるだけで、一般的にはストロボブラケットとかスピードライトブラケットとか呼ばれている。こういうのこういうのコミケにはこれを付けたマジな人達がいっぱいいるのでコレを付けて行くとなんだか自分も本気組になった気がして気分を高めるアイテムとして非常に効果が高い。

実用上の利点は主に二つあって、一つが混み合う会場での機材の保護(そもそもこのブラケット、元々は報道関係の人達用なので)。もう一つは、縦位置撮影時のストロボ位置の最適化。縦位置に構えた時に、普通にホットシューからストロボを焚くとやや横から光がかかることになるので、不自然な影が出来やすいのだ。これは室内などでバックに壁があったりするとよくわかる。なのでこういったブラケットを使って、縦に構えたときにストロボがレンズの上やすぐ横に来るようにするのである。もっとも、コミケのような晴天屋外下では言うほど差がない気もする。

なお、ほとんどの製品例ではカメラを構えて左手側にストロボが来るようになっているが、縦位置グリップを付ける場合は右に付けないとレンズの上にストロボが来ない。他人の機材見てると右に付けるか左に付けるかは半々なのだけど、左に付けてる人は何のために縦グリ付けているのだろうかとふと思う。

自分はカメコブラケットを使っていないが、これはαのストロボだと発光部ごと折れ曲がるのでだいたい似たようなこと(発光部がレンズの斜め上に来る) が出来るからであり、ほかの機種を使う時は必要になるだろうと思って実は一個持っている。中国製で作りはそれなりだが国内メーカー品の1/3くらいの値段(1,280円)だったので割合オススメ。自分は秋葉原の三月兎で買ったが、ほかの店でも見かけたので探せば簡単に見つかると思う。ただしブラケットを使うにはストロボの延長ケーブルも必要なのでそれも含めるとやっぱり地味にお金がかかる。

2.については、やはり瞳にキャッチライトが入っていた方がそれっぽく見えるので必要。後からPhotoshopで白く書き込むという手もあるけど……。

ちなみによくコミケやらモーターショーやらで見かける白い拡散板やらシャワーキャップみたいのはストロボディフューザーといって、主に屋内撮影での影消しのために使うが、副次的効果として発光面が大きくなったのと同じことなのでキャッチライトがストロボ単体のそれよりも若干大きくなるのと、やや光が拡散されるので光の当たりが柔らかくなる。コミケにおいては基本屋外のため前者の目的よりは後者の目的で使ってる人が多いはず。ちなみに自分が使っていない理由は、買ったけどしまい込んだせいか探したのに出てこなかったから。情けない理由だ。

カメコブラケットもディフューザーも基本的には屋内撮影での影消しが主な目的だと認識しているので、なくてもいいのではないかなと思い結局自分は使っていないが、カメコブラケットにストロボ乗せてディフューザーを仕込んでいると、だいたい傍目に見ても本気の人っぽく見える。形から入るのであればここは外さないようにしたいところである。

で、上に挙げたような条件からストロボを探すと、たいてい各社のミドルクラス~最上位ストロボになってしまうと思うので、持ってない場合はいきなり痛い出費になるけどその分の効果はあると思う。あと自分で露出計算できる人以外はTTLオートの効くストロボ使った方が良い。ただ、自分はやらないけど人によってはキャッチライト専用と割り切って小型ストロボや内蔵ストロボで通す人もいるのでこれが正解というつもりはない。ここに書いてあるのはあくまでも自分のやり方なので。

ちなみに、ここ最近のコミケでは知人(Nikon機使い。D7000+SB-800)と同行して平行して撮ったりしているのだが、こちらのストロボが熱でオーバーヒートして動作を停止したり、連射するごとにチャージが間に合わず露出がコロコロ変わっていくのを尻目に極めて安定して動作しており流石Nikonという風格を漂わせている。クイックシフトバウンスとかαにもいいとこはいっぱいあるんだけど、いかんせん機材としての完成度が違うというか……。

あと、自分の撮り方だとハイスピードシンクロでストロボ焚きまくるので上記の機材でだいたい300-400枚くらい撮るとエネループ4本使い切る。枚数撮るならエネループの予備は必須。この時もノーマルのエネループだと全部真っ白でどれ使ったかわかりにくくなるので、限定モデルとかで色違いのエネループを揃えておくと使ったのと使ってないのの判別が出来て非常に便利。ちょっとしたTIPSとして。

ストロボの話だけでだいぶ文字数使ってしまった。