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無名サイトのつづき

コミケ撮影覚え書き3:撮影しよう

機材編二回を経て、ようやく撮影編へ。

とはいえ、実際に撮影で気をつける事というのは案外少ないのも確か。基本的には相手の同意を得た上で撮ることと、あとは基本的ないくつかのお約束さえ守っていれば問題ないと思われる。お約束については各所参照のこと。

とりあえず、レイヤーさんへの声かけくらいは言えないとマズいので最低でも下記の台詞くらいはいくらコミュ障であっても覚えておくべき……かと。 逆に言うとこれだけ覚えていればとりあえず撮ることは出来てしまう。

[撮影時使用する台詞の例]
「写真お願いします」(撮り始めるとき)
「こちらも一緒にお願いします」(すでに他の人が写してるとこに参戦するとき) 
「目線お願いします」(目線が欲しいとき。もらえるかは別)
「ありがとうございました」(撮り終わったとき)
「下がります/退きます」(囲み最前列から脱出するときなど)

とりあえずこれだけ覚えておけば、最低限の写真は撮れる。当然コミュニケーションに自信のある方はポーズのリクエストをしたりとかもあるわけだがここでは触れない事とする。触れないっていうか、触れられない。 理由は察してもらいたい。ともかく失礼のないように。

なお、本来であれば作品に対する理解とかあるともっと適切な写真が撮れると思う。 たとえば原作シーン再現とか、ポーズについてもある程度の理解というか。まぁこの辺りは……課題の一つということで。個人的にも、あんまりリスペクトのない姿勢はよくないと思ってる。

※2014年12月追記:して思うと下線打ち消し部はよくもまぁこんな面倒なことをしていたなと思えるものである。現在はこのようなやり方はしておらず、露出決定についてはこの記事の後半で行っているスポット測光+露出補正にしている。まぁ試行錯誤の歴史ということで打ち消し線付きで残しておく。

続いて撮り方の話をすると、自分の場合ここ最近では下記の2パターンの設定のどちらかで撮ってることが多い。特に2の設定はたぶん自分オリジナルなのではないかと思っている。

1.ふつうの絞り優先AE
露出モード:A
F値:1.4~5.6(場合に応じて変更)
露出補正:基本的になし
ISO:100(α900の拡張最低感度)
WB:オートもしくは太陽光固定
クリエイティブスタイル:ポートレート
DRO:オフ
ストロボモード:TTLオート
ストロボ調光補正:+1.0
連写モード:低速

2.開放優先AE(そんなのないけどこう呼んでる)
露出モード:S
シャッタースピード:1/8000(α900の最高速)
露出補正:基本的になし
ISO:100(α900の拡張最低感度)
WB:オートもしくは太陽光固定
クリエイティブスタイル:ポートレート
DRO:オフ
ストロボモード:TTLオート
ストロボ調光補正:+1.0
連写モード:低速

各パターンの意図については以下に述べる。

絞り優先AEが意図しているのは、当然被写界深度のコントロール。前の記事でも述べた通り、何よりも重視しているのが背景の省略なので基本的には開放近辺を使うための設定。ただ、85/1.4というレンズはそれなりにピントがシビアなレンズなので常に開放で使うというわけにもいかない。どのくらいシビアかというと、左目に合わせると右目がもう被写界深度から外れているとかそのくらい。なのでF2~F2.8くらいでスタンバイしていることが多い。

特にこの設定は、複数人が画面に入るような構図の時に必要になる。二人画面に入るような画の場合はF2だと片方の人にしかピントが合わないという場合も多いので、そんなときは一気にF4~F5.6くらいまで絞って被写界深度を稼ぐ。

というわけで、ほとんどの場合は絞り優先で問題ないのだが、コミケ会場は非常に混雑している上に頻繁に撮影状況が変わるため、たまに意図していない設定で撮ってしまうということが度々あった。具体的に言うと、囲み用として絞り目にしていた設定のまま次のカットを撮ってしまい、思ったほど背景がボケていなかったり、露出補正が知らぬ間に効いてしまっていたり……。

こういう問題の弊害を解決するために編み出したのが、2の開放優先AEだったりする。ただしこれはある程度光量のある屋外での撮影だからこそ出来るので、正直コミケ以外で汎用性があるかというと大いに疑問が残る。下手すれば夏しか使えないかもしれないが、せっかくなので用途と意図しているところを書いておく。

この設定のキモは、シャッタースピードを最速に振って、感度は最低で固定しているというところにある。この状態で(ノンストロボの場合) 撮ろうとすると、当然カメラは露光量を増やすために絞りをなるべく開けようとする。晴天屋外ならF1.4~2くらいをキープするし、多少日陰に入ったとしてもせいぜいF4くらいまでしか絞られない。なおかつ絞り優先ではないので「絞りが固定されない」というところに意味がある。

各モードに対してのアドバンテージは下記の通り。
P:カメラ側の判断でF5.6や8に絞られることがまずない
・プログラムだと通常シンクロ速度を上限としてHSSさせないセッティングもあるので
A:絞りが撮影の都度必ずリセットされる
・絞りの戻し忘れが存在しない。なお、基本的にシャッタースピードはいじらない前提
M:あくまでもAEなのでパラメータを弄る必要がない
・本当ならMで絞り開放・シャッター最高速固定でも良いが不要なオーバーが避けられる

なお、この状態において主要被写体の露出は露出補正ではなくストロボ側の光量補正に依存するので、手持ちのストロボはややアンダー目に出ると感じることもあり+1.0補正にしている。とはいえ、このシンクロ速度ではガイドナンバーもやたら落ちるので適正露出が出るのは連写の一枚目だけであとはだんだん暗くなっていく。しかしともかくストロボが光ってさえいればキャッチライトは入ることになるので最低限その辺りの用はこなしてくれる。

これでドオーバーになることを避けつつ、ほぼ開放近辺で撮影する事が出来る。撮影データを見る限りではこの設定だとF1.6もしくはF1.7を使っているのが多いようだ。ストロボ光量の減少についても、なるべく絞りを開けて使うことになるのである程度相殺される。これはコミケの場合は撮影距離が近いからでもある。

あと、この設定でどうしてもとっさに被写界深度を変えたくなった場合は、シャッタースピードを落とすことで対応できる。(ISO固定なので、絞りとシャッターは天秤の関係にあるため)ただ当然戻し忘れの問題は出てくるのでほとんどシャッタースピードは固定で考えている。要するに絞りを厳密に決めるのではなく、だいたい開放付近を使いたいという時のための設定なのである。

このどちらかの設定を使って、あとはAFかつTTLオート調光でガンガン撮りまくる。本当はMFしたいところだが、めまぐるしく状況が変わるのであんまりじっくりピント合わせるということもしにくい。それよりは目線が来た一瞬のチャンスを逃さないために、ハナからAFで合わせてしまおうというのが個人的な考えである。また、露出についてもある程度顔が明るく写っていることを重視して+1.0に調光しているが、最悪はRAWから起こす気満々だったりする。

本当ならじっくり撮りたいところなのだが、中々そうも言ってられないのがあの場所なのだ。

こう言っておきながら連写モードが低速なのは、秒5コマもいらないから。ストロボのチャージは連写速度よりも遅いし、チャージ完了前に発光させれば当然光量は落ちる。また何十枚も連続で撮ってるとCF書き込み待ちになることだって多い。酷いときはこれに複合してストロボ温度警告が出てしまって後半のカットにキャッチライトが入っていないなんて事もザラにあった。なので、ここ一番という時以外は低速で問題ないと思う。たまに人気のレイヤーさんとかで囲みになってしまいカウントが始まった時とかに高速に切り替えて枚数稼いだりはする。 

あとは実際の撮影なのだが、こればっかりは立ち位置次第という面が大きい。アイレベルで撮ると背景が煩雑になりがちなので、大ボケさせることで切るか、囲み撮影になっている場合はなるべく前列を確保してしゃがむことで見上げるカメラアングルにすると整理がしやすいのではないかと思う。本来であればビックサイトの大屋根なんかを効果的に作画に入れ込めればいいのだが、なかなかそうも行かないのが実情。

目線はなくても作画出来るけど、基本的にはあった方がそれっぽくなりやすいので積極的に狙っていくべきだと思う。言うだけならタダなのでレイヤーさんがこらちを向いたら積極的に「目線ください」コールをしてみよう。運が良ければ目線くれる。

あと、ここまで書いてこなかったけどとにかく水分は大事。夏でも冬でも撮影はそれなりに重労(?)なので体調管理には十分に気をつけよう。レンズ一本あきらめてでもペットボトルをカバンに詰めてくるべき。ホントにここ大事。体が資本ですから。

それではまた、半年後にあの場所でお会いしましょう。