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インターネット

無名サイトのつづき

新コミケ撮影覚え書き:カメラについての補足

去年、コミケ撮影についての記事を書いてみた。
 コミケ撮影覚え書き1:序論というかきっかけ
 コミケ撮影覚え書き2:必要なものを準備しよう1(ストロボについて)
 コミケ撮影覚え書き2:必要なものを準備しよう2(ストロボ以外の機材について)
 コミケ撮影覚え書き3:撮影しよう

この記事を書いたあと、さらに冬と夏の二回参加してみて、当時書かなかったことや足りなかったことも自分の中で見つかってきたので、夏コミも終わってちょうど良いタイミングだと思うので書き残しておきたい。つまり、今回の記事は前回の補足集といったところ。

なお今回は何点か掲載許可がもらえたので作例として掲載しておく。前回記事がhow toのくせに実写作例なしというふざけた記事だったので、少しは実用性が上がるのではないかと思う。
(※現地許可済ですが掲載された中で不都合のある写真ございましたらコメント欄等にて連絡願います。許可取った方と取ってない方がごっちゃになってる可能性があるので……)

1.やっぱり機材はズームが便利、だけど……
昨年の記事2-2でも述べているように、オススメの機材例は明るいズームレンズを中心にしたシステムを挙げているが、書いてる当人はそれを一切無視してここ数回は一貫して85/1.4オンリーで撮っている。

85/1.4に拘る理由は、せっかくポートレートの銘玉と呼ばれるミノルタ85mm F1.4Gを購入したのだから使いこなしてみせたいというのが一点と、あとは前回記事でも書いたように背景を整理したいからという点にある。

とはいえ、前回書いた通りにズームの方がメリットが多いので、次回からは重たいレンズ抱えて行くにしてもズームにしようかな、と思っている次第である。85/1.4での撮影枚数がだいぶまとまってきたのでもう減価償却が完了したのではないかなんて考えもないわけではないが。

そして、もう少し真面目な理由としては85mmだと「撮影出来る範囲が膝上~バストアップくらいに固定されてしまうから」という点がある。よそのまとめとかを見ているとやっぱりレイヤーさんの撮影では全身を入れ込んだ構図が圧倒的に多いし、そもそも全身作り込んで来るレイヤーさんを撮る上で、一部だけ切り取るという撮り方が果たして正しいのだろうかと自問する次第である。ある意味衣装が主役なんだし……。

それでも、85/1.4の写りはいいので上手く撮れれば満足はしてしまうのだ。

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近接だとある程度絞っても被写界深度の薄さが気になる(この写真ではF2.8)。そういう意味では難しいレンズなのは間違いないのだが、前回記事の中ではサラッと開放近辺をキープするようなAE設定を作って意地でもF1.4~F2くらいで使うとか平気で書いてて自分が恐ろしい。実際それでピンボケを量産してしまった結果、歩留まり重視で絞ることを覚えたんだけど。人間はこうして大人になっていくのだ。

まぁ結局好きな機材使えよって話なんだけど、汎用性から言ったら間違いなく明るいAFズームレンズだと改めて認識した、というわけで。

2.露出の決め方を考えよう
元々ポートレート撮りの人ではないので、これまで露出決定はほかの被写体と同じように多分割測光をベースに露出補正をかけつつ撮るスタイルでやってきた。 この方法だと画面全体としては適正露出になるのだが、相対的に顔の露出がちょっと暗めになることもよくあるので、それを誤魔化す為に帰ってきてからRAW現像でプラス補正するというパターンが非常に多かった。ポートレートの露出の勘所というのは最終的に顔が上手く写ってるかどうかにあると個人的に思っているので、あとから補正が前提では露出失敗と言われても仕方がない。

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この写真は一日目なので、多分割測光で撮っている。このような状況であれば露出補正で十分に対応出来るのだが、太陽を背にしてしまうと多分割測光では顔が真っ暗になってしまい、RAWで起こすにしてもだいぶ無理のある補正をする必要が出てくる。

そんなわけで、ストロボの光量増やすとか色々やってみたのだが、最終的にたどり着いたのはメインの部分の露出を最優先して他が飛んでも諦めるというやりかただった。晴天屋外で逆光とかだと、どんなに頑張っても背景の露出が飛んでしまうシーンはあるわけで、そういうシーンでは画面全体をなるべく飛ばないように制御する多分割測光をベースに露出補正していても追いつかない。そこで今回は三日目の途中からスポット測光を試してみた。

スポット測光は、その名の通り測光範囲のごく一部だけを測光して露出を決定するものなので測光範囲外の明るさは一切無視される。現代的なデジタル一眼レフカメラであれば、ほぼ全ての機種に搭載されているが、その反面あんまり使われていない機能の一つだ。

今回は何が何でも顔がうまく写るようにということなので、顔の部分で測光値を取るようにする。カメラ内部の処理としては測光された部分が18%グレーの明るさになるような露出を与えるので、今回は肌色ということもあり基準を+1EVに置いた。この辺りの色別の補正値は他にもっと詳しいページがあるのでそちらを参照のこと。

α900の場合、カスタム設定でAELボタンにスポット測光を割付られるので、ひとまず「押す間スポットAEL」の設定に切り替えた。ちなみにα900だとAEL/AFキーは「押す間」と「再押し」が選択できるが、今回は都度測光を取り直すのが基本なので、誤動作のないように押す間の方を選択した。

またポートレートではコマ間の露出を固定する為にマニュアル露出をベースにする方法が多いみたいだが、コミケではスピード命なのでとりあえずAEにしている。

具体的な撮影方法を書いておくと、Aモードで適当な絞り値をセットし、露出補正ダイヤルであらかじめ+1.0EVにセットしておく。撮影の順番が来たら、まずは荒く構図を決めて、このときの立ち位置でレイヤーさんの顔にスポット測光サークル(α900の場合は真ん中の円)を向けてAELボタンを押す。するとここで測光されるので、ボタンを押したままAEをロックし、今度はシャッター半押しでAFもロック。しかるべき後に構図を整えて撮影、ということになる。

文章にしてみるとなんじゃこりゃという感じではあるし、実際押すキーが一つ増えることになるのでこれまでよりもこんがらがることは増えたが、逆光下でも安定して顔が写るようになるのでメリットは非常に大きいと思える。慣れた人ならマニュアル露出にし、待ち時間の間にだいたいの露出決定を行うらしいのだが、まだそこまでは使いこなせていないのでAEを基本としていきたい。

というわけで(元々ポートレートやってる人達に常識らしいが)新しい手法の一つとしてスポット測光を覚えたので、是非これをマスターしてさらに露出を安定させたいところである。ただしそれは冬とか翌年以降に試すことになるので、問題その時に自分がそれを覚えているかどうかだ。

つまりこの記事シリーズというのは誰でもない、自分の為の記事でもある。だからこそタイトルが覚え書き、というわけで……。