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無名サイトのつづき

続フードマニア!

以前「このレンズには実はこのフードが使い回せる」という記事を書いた。

その際はミノルタ時代のフィルタ径72mm三本爪バヨネットのことだとか、70-200Gレンズのことだったりしたのだが、基本的には同じメーカーの間で使い回す話だった。

今回はその続編として、禁断の(?)他メーカーフード使い回しについてお伝えしたいと思う。

ここで使うのは、以前28-70G用のフード作成でも登場したキヤノン製フードであるところのEW-78B2である。元々このフードはフィルム中級機とのマッチングを考えた28-135mm用のフードとして用意されたせいか、中古市場でも比較的見かけるフードの一つである。レンズ自体もまだ現行品のため、新品でも問題なく販売されている。

このフード、先述の通り切った貼ったの加工で28-70Gのフードに作り替えることが出来るのだが、実は加工しなくても最近のソニー製レンズにはそのまま使用することが出来る。というのも、キヤノンが標準的に採用している二本爪バヨネットが、何故か最近のソニー用レンズ用のバヨネットに嵌まるのである。

ミノルタ時代のレンズフードは三本爪のバヨネットが多かったのだが、ソニー時代になってからのαレンズは新規のものは概ね二本爪バヨネットに変更されている。正確に言えばミノルタ時代の最末期からその傾向はあったようだが、ソニーになってから決定的になったと言えるだろう。(例を挙げると、35/1.4Gはミノルタ時代は三本爪だったがソニーでは二本爪に変わっている。70-200Gなどはミノルタ時代最末期のSSMタイプからは二本爪になっていた)

この二本爪と三本爪の違いだが、三本爪は取り付け角度が小さくて済むが取り付け間違いの起こりうる構造(間違えると蹴られる)なのに対し、二本爪はそれが起こらない。故に最近は二本爪にしているのだと思われる。

さて、このフードが使えるレンズだが、検証した限りでは次の三つのレンズには正逆位置共に物理的に取り付けが可能で、おそらくは蹴られも起きていないということが確認出来ている。

 ・SONY Distagon T* 24mm F2 ZA SSM
 ・SONY Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM
 ・SONY Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA(これは店頭のレンズで試しただけ)

具体的に言うとフィルタ径が72mmの二本爪バヨネットならだいたい嵌まるのではないかということである。ただ、嵌まり具合については各レンズによって若干異なる。

50/1.4ZAは取り付け時のクリック感はあるがやや緩いので、衝撃などがあると外れてしまう懸念がある。遮光効果も標準の筒型フードからしたら(広角用なので当たり前だが)やや落ちると思われる。ただ、10万もする高級レンズの割には付属のフードが何の芸も無い筒型フードで、内側の植毛などもないくせに部品扱いで4000円以上するということを考えれば、こちらのフードも代用品として十分に検討の価値はあると言えよう。

24/2ZAはフィルタ枠側にクリック用のスチールボールが埋め込まれているのでこちらの方が装着感はしっかりしている。標準のフードよりも若干だけ深いようだが確認した限りでは蹴られは出ていない。こちらも部品扱いで取り寄せると結構高額なフードなので、紛失時の代替案としてなかなか良いと思われる。

なにしろこのEW-78B2というフードは数が出ているので中古でも豊富に見付かる。先日購入した際は450円だったが、おそらく1000円も出せばそこそこ程度の良いモノが見付かるのではないだろうか。

キヤノンのフード命名規則からすれば、おそらくES-78(標準用)やET-78(望遠用)にも使用出来るものがあるのではないと思われるが、中古フードを見かけないので未だに試してはいない。

もしかしたら誰かの役に立つかもしれないお役立ち情報でした。

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SONY α900 + SONY Planar 50mm F1.4 ZA SSM(with canon EW-78B2)